2016年1月13日水曜日

【2015best】aiwabeatzさんの「33回転screwedがハマる45'」

明けましておめでとうございます。
2016年最初のポストは、ここ数年個人的にもお世話になっているDJ/トラックメーカーの「aiwabeatz」さんに、2015年リリースの7inchの中から、33回転screwedがハマる45'(7インチ)を5枚選んでいただきました。


①OMAR-S - SIDE-TRAKX - VOLUME #3
待ちに待った『SIDE-TRAKX』シリーズの新作が45で、しかも歌モノ。こんなに自分泣かせの一枚はないですね。
これまでの『SIDE-TRAKX』シリーズ同様OMAR-SのHipHop的側面をフィーチャーした作品で、ただまあ今作は両面とも四つ打ちとmixできるくらいbpmが速いので33回転screwedで丁度良いくらい、というかscrewedが激ハマリます。ドラムのロウさとボーカルの浮遊感が際立つん ですよね。
OMAR-Sは自分にとって“HipHopのトラックメイカー”としてもフェイバリットに挙がるくらいマストな人。TechnoやHouseをあまり聴かないB-BOYもまずは『SIDE-TRAKX』シリーズをぜひ聴いてほしいですね。Detroit HipHopが好きならなおさらです。
彼自身、基本はTechno/Houseのプロデューサーですが、自宅スタジオにRZAのBOBBY DIGITALのポスター貼ってるようなヤツですから。
両面ともいいんだけど特に裏の“FAAHHUUUUUU”がオススメ。7inchのB面眠る危険。
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②SILK RHODES - PAINS
JAMES PANTSやDAM-FUNKの作品に顕著なんですが、STONES THROWの45って33で聴いてもカッコイイものが多い、っていうかJAMES PANTSに至っては明らかに狙って作ってると思うんですが、33回転screwedだとサイケ度が増してメチャクチャヤバイです。Dubの45と一緒ですね。まあJAMES PANTSなんてほとんどDub色の強いNew Waveの現代版ですからね。最高です。
話が逸れちゃいましたけど、 STONES THROWの45で今年ヤバかったのはこの一枚。A面“PAINS”はスローなサイケソウルで、B面“FACE 2 FACE”はディスコファンク。ユニット名の通りローズの音色がフィーチャーされた歌モノで両面ともイケますが、自分は“PAINS”をscrewするこ とが多かったですね。
とここまで書いておいてなんですが、よく調べたらリリースは'14年でした。でも今年よくかけたので入れさせて下さい。
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③asuka ando - ゆめで逢いましょう
ビッ クリしました。大阪にDJしに行ったときにSTOMPでこの45をかけていた人がいて、DJ後思わずアレなんですかって聞いちゃいました。STOMPのスピーカーで聴きながら、コレscrewしたら絶対ヤバイだろうなと思いましたもん。もちろん45回転で聴いても超名曲です。でも7inch買った人はぜひ 33回転で一度聴いてみて欲しいですね。そこでおっと思ったら今度はピッチも-8まで名一杯下げてみてください。
タイトルからして大瀧詠一の大名曲『夢で逢えたら』を連想させますが、勿論意識していると思います。本歌取りといいますか。甘酸っぱい男女の恋の歌ですね。ラヴァーズです。
“眠るまでの少しの間 青い吹き出しでおしゃべりして”って歌詞がありますが、LINEのことでしょうか? 現代的ですね。
自分は歌詞/タイトル繋ぎで、『夢想花』のレゲエカヴァーや『DAYDREAM BELIEVER』のレゲエカヴァーなんかと繋げることが多かったです。
でもってその次にカットされた“月下美人”もまた良くて。ただコレ、問題はB面。なんと大貫妙子“くすりをたくさん”をラヴァーズカヴァーしてて。くそヤバイです。しかも本家の大貫ver.も“都会”とのカップリングで7inchリイシューという。オリジナル⇔カヴァー、33回転screwedでleanに繋げてください。
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④井の頭レンジャーズ - ひこうき雲
この人たちの一連のレゲエカヴァー45シリーズはどれも素晴らしくて、それこそ上記のasuka andoをfeat.してのサザン“シャララ”/島倉千代子“愛のさざなみ”カヴァーなんてめちゃくちゃ最高でしたけど、その中でも一枚挙げるなら“ひこうき雲”ですね。
このユーミンの“ひこうき雲”自体、プロコルハルムの“青い影”を下敷きにしたものなんですが、“青い影”にも名カヴァーがたくさんあって。JOE COCKERのものなんかが有名ですが、ROLAND ALPHONSO はじめSkaやReggaeの名カヴァーも沢山あります。自分はLESTER STERLINGのインストカヴァーや、OCHI BROWN、PAT KELLYのカヴァーが好きでオリジナルと合わせてよくscrewedがけしますね。
まあつまり“青い影”には沢山のSka/Reggaeのカヴァーがあるんですが、この“ひこうき雲”のカヴァーもそれを下敷きにしていると言うか、そういった音楽的蓄積を踏まえた上でやっているところが憎いし、堪らないわけなんですよね。
更に言うと“ひこうき雲”の元ネタである“青い影”も、実はというか聴けばわかると思うんですがバッハの“G線上のアリア”、正しくは“管弦楽組曲 第3番第2曲 アリア”を大々的に引用しているわけで。サンプリングですよね。
バッハの“アリア”から“青い影”が生まれて、更にそこから“ひこうき雲”が生まれて、しかもそれぞれに色んなカヴァーver.がある。こういう音楽的繋がり、歴史的連なりを最近意識することが多々あって。面白いなあと思います。
逆に言うとこういう繋がりを無視したような、突然変異のような音楽が出てきたときの衝撃もものすごくて、それも音楽的、文化的面白さの大きなひとつですよね。
と ころでこの話題にバッチリな内容の45、しかも'15年作のものを最近仲間のYWK1くんに教えてもらって。EXOTICO DE LAGOって人たちなんですけど、そのタイトルが“AOI KAGE NO AIR”。そう、まさにAIR(アリア、G線上のアリア)を、ROLAND ALPHONSOの“青い影”カヴァーを参考にしてアレンジした曲で。繋がってますね。

追記:さらに井の頭レンジャーズの高木壮太氏の別バンド・CAT BOYSでは、前述の大貫妙子“都会”のオルガンファンクカヴァー7inchを'15年をリリースしてます。“都会”も実はMARVIN GAYE“WHAT'S GOING ON”を下敷きにしていると言われており、実際原曲はそれを思わせる曲調です。“WHAT'S GOING ON”にも様々なカヴァーがあり...、あとは言わずもがなですね。
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⑤K-MAXX - BE TOGETHER
CHERRIES RECORDSの010番です。'14年のレーベル008番“BIOLOGIA - NITE LITE”で注目し始めて、'15年の009番“BENJAMIN - THOSE MEMORIES”の裏面“THIS TIME”を聴いていよいよヤバイなと思っていたところに、K-MAXXのコレがリリースされて。この人のシンセの音色と歌声は33回転screwedが くそleanで合います。
CHERRIES RECORDSは'12年にシカゴで発足したModern Funk/R&Bのレーベルとのことですが、現在はNYをベースにしているみたいです。痒いところに手が届く感じで、DAM-FUNKや TUXEDOが好きな人はもちろん、WEEKND以降のIndie R&B/Alternative R&Bの流れを追いかけている人にもバッチリだと思います。
K-MAXXはSOUND BOUTIQUEから'12年にリリースされていた“SupaDrunk”っていう45が好きでよくかけていたんですが、今回CHERRIES RECORDSからリリースされて、自分の中で点と点が繋がった感じでした。黒すぎないDAM-FUNK、またはNITE JEWELをより黒くした感じ。なのでSynth Popが好きな人にも聴いてほしいですね。裏の“REACHIN' (PARADISE)”もグッドでした。

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